石見神楽の中の風習【御花披露】

石見各地の神社例祭で行われる奉納神楽。夜を徹して舞われる夜明け舞いでは、12〜16番もの演目が舞われます。その合間3・4演目置きに行われるのが、「御花披露」。
氏子(その神社が守る町の住民)から、神楽団体に対して送られる寄付を名前と共に読み上げ、披露します。
この御花は、楽屋に直接届けに行くのですが、花を打った後は自分の名前が読み上げられるまで帰らない。そんな粋なこだわりも各々の胸の内にあったりします。(読まれると誇らしく、とっても気持ちがよいのです。)これも祭りの中の、石見神楽の中の一幕。

 

2人で交互に所作(神楽の動作)を加えながら愉快に読まれる、江津市桜江町、川戸神楽社中の御花披露。(江津市桜江町 川戸太詔刀命神社にて)

 

恵比須終了の合間、演じた舞子が直接ご披露する、益田市津田神楽社中の御花披露。独特の軽やかな言い回しが特徴でした。(益田市土田八幡宮にて)

 

 


御幣を持ち、代表者格のベテランの方が丁寧に読み上げる、浜田市、日脚神代神楽社中の御花披露。披露後、氏子繁栄のお祈りの口上が唱えられます。(浜田市國分寺霹靂神社にて)

 

 

神社または、イベントの主催者に宛てられる花は、神楽団体ではなく、主催者によってお名前を披露します。(写真は、浜田市国府地区の若手で結成された国府海岸夏神楽実行委員会による御花披露)
砂浜での夜明け舞いの風習を主催者として、若手で受け継いでいます。